2021/10/06
病院の口コミ、改ざん業者が高評価に書き換え…「評価3・5以下なら大変」と営業攻勢
読売新聞オンライン 2021/08/22
https://www.yomiuri.co.jp/national/20210822-OYT1T50031/
2021年8月、Googleの口コミ削除業者に関する読売新聞の記事が公開されました。
SNSやワイドショーで話題になり、関心が高くなっています。
この記事ではクチコミ削除の実態とリスクをご説明します。
目次
記事にあるような業者が「口コミの削除」として実際に行っているのは「店舗情報のリセット」です。
個別の口コミを削除するのではなく、店舗の情報を作り直してすべての口コミを消してしまう、というのが「削除」の実態です。
Googleは個別の口コミを削除する手段を用意していないため、リセットは口コミ削除の「抜け道」として利用され始めています。
2021年9月現在、Googleからリセットに対するペナルティ等の言及は確認されていませんが、
いくつかのリスク・問題点があると考えられています。
医療系の場合、口コミを編集すること自体が医療広告ガイドラインに抵触する可能性があります。
“当該ウェブサイトの運営者が、体験談の内容を改編したり、否定的な体験談を削除したり(当該体験談が名誉毀損等の不法行為に当たる場合を除く)、又は肯定的な体験談を優先的に上部に表示するなど体験談を医療機関の有利に編集している場合、それが医療機関からの依頼によって行われたものであるときには誘引性が生じます。”
引用:医療広告ガイドラインに関する Q&A 2018年8月
https://www.mhlw.go.jp/content/000371812.pdf
医療広告ガイドラインとは2018年に医療法の改正により施行されたガイドラインで、
集患やブランディングのための広告、ウェブサイト、パンフレットなどに広告規制が定められています。
違反により罰金・懲役の罰則があり、口コミの削除もこれに抵触するリスクがあります。
リセット行為に気づいたユーザーから「口コミを削除するなんて誠実な対応とは思えない、がっかりした」という主旨の口コミが行われ、
顧客からの信頼の喪失に繋がってしまった例が確認されています。
口コミの削除は「不都合な口コミの内容に対して向き合わず、逆に隠すような行動」と捉えられやすく、
マイナスイメージがついてしまう可能性があります。
リセットを行ってもネガティブな口コミが投稿されることは防げません。
運用がリセットされるとGoogleからの評価もなくなるため、検索結果にも表示されにくくなります。
リセット=状況の好転、とは限らないことを認識する必要があります。
知られている「削除」の料金は1件あたり40-50万円と高額です。
ネガティブな口コミが投稿されるたびにリセットするのは大きなコストになります。
ネガティブな口コミがあった直後に口コミ削除の営業があるという、業者の自作自演と疑わしい事例が報告されています。
全く覚えのない内容でネガティブな投稿があった場合は、業者の可能性も考慮する必要があります。
ペナルティはありませんが、Googleのポリシーでは口コミに対する作為を禁じています。
リセット行為を行ったり営業をしている会社は、ポリシーなどへの抵触を考慮しない倫理観であると言えます。
そのような会社と取引を行い、アカウント情報や企業情報を共有すること自体にもリスクがあると言えます。
以上の内容を踏まえて、弊社運用としてはリセット行為はリスクが高いと判断しており、おすすめしておりません。
では、ネガティブな口コミに対してどうやって反応すればよいのか?
次回の記事では、口コミへの対応方法についてご紹介します。
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