2021/07/16
7/1にGoogleの「コアアップデート」がありました。
この記事ではアップデートの特徴と傾向、
順位が下がったときの対応方法をご説明します。
目次
Googleは検索順位の品質を向上させるため、頻繁にプログラムの調整を行っています。
多くの場合タイミングなどは公表されませんが、検索エンジンの方向性に関わる重要なアップデートなど
多くのサイトに影響が出る場合には事前にタイミングなどが公表され、
「コアアップデート」と呼ばれる大規模な内容になることがあります。
年に数回のペースで行われており、検索順位に大きな変動があることから、
WEBを使ったビジネスからはそのタイミングや内容が注目されています。
6月はコアアップデート以外でも複数のアップデートが行われました。
■ 6月1-12日: コアアップデート(第1回)
■ 6月15日~8月: ページエクスペリエンスアップデート
*WEBサイトのスピードなど、「ユーザー重視」のポイントが順位に影響するアップデート
■ 6月24日: スパムアップデート(第1回)
■ 6月29日: スパムアップデート(第2回)
*Googleのポリシーに反するスパム的なSEO施策を排除するためのアップデート
■ 7月1-12日: コアアップデート(第2回)
これらにより、6月はこれまでと比べてもかなり順位変動の多い月ではありましたが、今回のコアアップデートそれらを上回る大きな変動を見せています。
出典:キーワードカテゴリの順位変動幅・Gyro-n SEO Lab.
※注釈等を弊社にて追記
今回のアップデートは7/12までに終了し、7/2-4と7/9-12の2回、大きな変動がありました。
現在のところでは、特に金融・医療・不動産・法律等の領域でより変動が大きかったようです。
ただ、アップデートの完了後、世界中で「評価基準にどのような変更が行われたか」ということを
検証する動きが行われていますが、7/16現在のところまだ業界内で主流となる見解は現れていません。
以降に記載する弊社の見解もあくまで暫定的なものであるとご認識ください。
次の5点が現在得られている傾向です。
1. サイト信頼性の向上(E-A-T対策)を行っていないサイトが全体的に下がった
2. これまで影響が少なかった「古いサイト」でも影響が大きい
3. 「ページエクスペリエンス」対策などのチューニングを行っていないサイトが下がった
4. セキュリティ対策が行われていないサイトで影響が大きい
5. 2020年の12月のアップデートと逆の動きが多い
(順位の下がっていたサイトで回復し、上がっていたサイトで下がる傾向)
以下、それぞれについて簡単に説明いたします。
Googleは情報に信頼性を求めるようになっており、
特に医療・金融等の専門的な分野ではWEBサイトにその裏付けとなる情報の掲載が必要とされています。
WEB上では文章をコピーすることで誰でも同じような文章を作ることができます。
そのため、サイトの文章を誰が書いたか、専門性のある人間が監修したか、という情報が重要になっています。
(「生産者の顔が見える野菜」が安心できる、ということと同様です。)
特にGoogleが重視していると言われるのが「E-A-T」と呼ばれるという次の3つの要素です。
E:Expertise:専門性
A:Authoritativeness:権威性
T:Trustworthiness:信頼性
これらの要素の裏付けとなる情報を、「執筆者情報」「監修者情報」として掲載することが
特に専門性の高い分野で現在求められており、掲載のないサイトに順位の低下が見られました。
WEB上に古くからあるサイト、例えば10年以上同じアドレスで運用しているサイトなどは、これまでSEO的に有利であるとされてきました。大きなアップデートでも変動が少ない事が多かったのですが、今回はそのようなサイトでも変動が見られました。
そのため、「これまでずっと動きがなかったのにいきなり下がった」のようなサイトもあるようです。
WEBサイトの基本的なSEO施策には、
・Googleが評価する基準を満たす
・Googleに理解されやすいサイト設計にする
というポイントがあります。
様々な基準のうち、「ページエクスペリエンス」等の比較的新しい基準やサイト設計に対応していないサイトで下がっているものが見受けられました。
特に考えられる要素としては次のような内容があります。
・ページエクスペリエンス要素の改善
サイトを見る人にストレスを与えず、安心してサイトを見てもらうために必要な施策。
詳しくはまとめておりますこちらのコアウェブバイタル解説資料をご覧ください。
・モバイルフレンドリー対応
スマホ等のモバイルデバイスからサイトを正しく見られるようにするための施策です。
詳しくはこちらのスマートフォン最適化資料をご覧ください。
・構造化データの追加
WEBサイトに記載されている情報を正しくGoogleに伝えるために、構造化データと呼ばれる
特殊な検索エンジン用データを記載することができます。
特に「よくある質問」などの情報を構造化データとしてサイトに追加することで、
Googleの検索画面に特別な表示方法でページを目立たせることができるようになります。
参考:FAQ構造化データの検索結果
※Google検索結果の途中に出てくる次の画像のような内容が「構造化データ」による表示内容になります。
セキュリティ対策として「HTTPS通信」が導入されていないサイトについて影響が大きいようです。
HTTPSもGoogleが評価する基準の一つとなっています。
なお、これらは「Safari」「Chrome」などのWEBブラウザでも重視されており、
導入していないサイトには次のような「安全ではありません」といった警告の表示が表れるようになっています。
SSLの導入についてはこちらのSSL(HTTPS)導入紹介ページもご覧ください。
コアアップデートによる順位変動は、それまでに行われたSEO施策やコンテンツ施策の結果として表れることが多いです。
そのため、前回順位が下がったサイトが正しく施策を行ったため再評価されたり、前回影響がなかったため施策をあまり行わなかったところが相対的に下がる、ということが多く起こります。
現在検索エンジンの順位の決定は非常に高度で複雑になっており、多数の要因が絡み合って影響しているため、一つの影響で順位が変動したという判断は非常に難しいです。
そのため、上記のポイントは当てはまっても必ず順位に影響が出るわけではありません。
しかし、複数の内容に当てはまるサイトは、変動が大きい可能性があると言えます。
基本的には、現状の確認とそれに応じた情報の充実が必要になり、
具体的には次のような対応を検討します。
・コアウェブバイタルスコアの改善
・ページ読み込み速度の改善
・スマホサイトの改良
・SSL(HTTPS通信)の導入
・ポップアップウインドウの調整
・E-A-T対策の情報追加
・サイト内の技術的エラーの解消
・構造化データの追加
・ページタイトルの見直し
・パンくずリスト・見出し要素の見直し
・検索キーワードを確認し、ユーザーが必要としているコンテンツを再確認する
・不足しているコンテンツの追加、古くなった情報の更新を行う
・順位が上がったサイトと比較して足りないコンテンツを追加する
・継続的にコンテンツを追加する仕組みを導入する
これらはご契約いただいている保守の内容に応じてできる施策、できない施策があります。
また、有償となる施策もあります。実際に行える内容については下記のお問合せフォームよりご相談ください。
順位は相対的な指標です。どこかのサイトが上がれば、その分下がるサイトがあります。あるサイトに特段の問題点がなくても、競合に「より良い」サイトが有れば順位が下がる場合があります。
また、順位の変動に対して即効性のある施策はありません。正しく施策を行っても回復するのに3ヶ月~半年以上かかることが多く、次回のコアアップデートまでほとんど変動がないという場合もあります。
これらを踏まえた上で、時間をかけて地道に、真摯に取り組む必要があります。
WEBを使った集客の施策には様々な方法があります。
検索順位のみに依存した集客を行っていると、このようなアップデートでアクセスが大きく変わるなど、検索エンジン側の動きに大きく影響されてしまう場合があります。
そのため、WEBを使った集客を多角化し、リスクの分散を図ることをおすすめします。
弊社では次のような施策についても対応を行えますので、ご興味ある方はぜひご相談ください。
・リスティング広告
・動画設置・動画広告
・Googleマイビジネス
・SNS(twitter/Instagram/Facebook)
Googleがかつて行ったアドバイスに
「可能な限り最高のコンテンツを提供できるようにすることに重点を置くことをお勧めします」
というものがあり、以降10年に渡り「SEOに必要なものは品質の高いコンテンツ」ということが言われ続けています。
しかし、サイトのオーナーから見て良いコンテンツだったとしても、ユーザーから見て良いコンテンツとは限りません。
また、5年前に良いコンテンツだったとしても、現在も同様に良いコンテンツとは限りません。
コアアップデートはそういった「良いコンテンツ」の指標が時代に合わせてアップデートされている、と捉えることができます。
WEBサイトがコアアップデートに合わせて更新することは、現在のユーザーが求める内容に更新することにも繋がります。
運用されているサイトが「良いコンテンツ」になっているか、この機に見直してみるのはいかがでしょうか。
アーカイブ