2020年9月24日
2500人のアンケートから解った<中小不動産会社向け売却獲得の勝ちパターン>を公表
レポート概要
当社は業務提携パートナーである株式会社WACUL(代表取締役CEO:大淵 亮平、本社:東京都千代田区、以下WACUL社)と、ローカルビジネスやローカルマーケティングに関する共同研究を行っています。
第一弾は「ローカルマーケティングの勝ちパターン」、第二弾は「動画のベストプラクティス」を実施。第三弾の今回は「不動産売却についての意識調査」を行い、全国約2500人のアンケートとインタビューから、売却における不動産会社の選び方を分析した結果をレポーティングさせていただきます。
調査背景
2015年の相続税改正により、納税対象者が増加し、他人ごとだった相続がより身近なものになりました。さらに昨今の高齢化問題や人口減少が重なり、家や土地を手放さざるを得ない人も増えてくるでしょう。
今回調査を行った背景として、相続市場がますます増加していることから、相続に伴う物件売却をする際に委託する不動産会社の選び方について調査至しました。
当社のブランド事業のミッションである「売主と不動産会社のミスマッチをなくす」という想いから、実際に売却経験のある売主様がどのように不動産を選んだのかを調査し、その結果を不動産業界のみなさまへ価値提供するために本レポートを公開いたします。
調査結果
調査方法
【調査概要】不動産売却についての意識調査
【方法】インターネットリサーチ
【人数】2,465名
【行動観察】6名 …不動産売却経験のある全国30代~60代の男女
リサーチサマリー
・不動産会社選びにおいて50.2%が「不動産会社のホームページ」を参考にしている
・決め手は「査定金額」と「売買担当者の対応」が約24%ずつとほぼ同率
・89.1%が会社知名度や高く売れる可能性よりも、確実に成約まで導いてくれる会社を求めている
不動産会社の選ぶ際、半数がホームページを参考にする
アンケート調査を行った結果、過去に不動産売却の経験がある417人中、不動産会社のホームページを参考にしたと回答したユーザーは50.2%(209人)だった。
知人や紹介で不動産会社への伝手があるユーザーは、ホームページを見ずに会社を選ぶ傾向にあったが、それ以外のほとんどのユーザーがホームページを参考にすると回答した。今や分からないことがあればなんでもインターネットで調べることができるため、まだ会社のホームページをもっていない不動産会社は、早急に対策すべきことが分かる。
また、最も参考にした情報として、33.1%が「口コミ・知人へ相談」、31.1%が「不動産会社のホームページ」と回答した。
不動産会社を選んだ決め手は、担当者の人柄と査定金額が同率1位
最終的に売却依頼先を決めたポイントは、「査定金額」が24.4%(51人)、次いで「担当者の対応・印象」が23.9%(50人)と、金額と人で選び方が大きく分かれることが分かった。売却は大きな金額が動く上に、それを委ねる担当者の手腕が試されるため、どちらも重要なポイントであることは明白だ。
売却依頼先に不動産会社の規模は関係ない
今回調査を行ったユーザー傾向として、89.1%(90人)のユーザーが、会社知名度や高く売れる可能性よりも、確実に売れる不動産会社を求めていることが分かった。これは売却済みと売却検討中のユーザーの合算値のため、実際に売却期間が伸びて後悔したからこそ選択したユーザーもいれば、売却前でも現実主義者なユーザーが多いことが伺える。
当然高く売れることを期待するが、成約まで導くことができないことには不動産会社に依頼しては意味がない。前述のアンケートで、不動産会社を選んだ決め手の第三位が「知名度」だった一方、現実的に売却までサポートしてくれる会社が求められていることが分かった。
ユーザー行動調査結果
上記のアンケート内容を踏まえ、売却を検討するユーザーが不動産会社を選ぶプロセスの行動観察調査を実施した。
売却動機は3つに分かれる
今回実際に不動産売却を行ったことのあるユーザーのアンケート結果では、売却のきっかけは主に①相続 ②住み替え ③投資 の3つに分かれた。急に発生する親族の相続物件や、新居への引っ越しに伴う居住物件、投資用物件など事象は様々だ。
今回のレポート調査対象は、実際に売却した際の目的が「相続」だったユーザー5名。当時、不動産会社をどう選定していったのかをインタビューし、自身でインターネットを使って情報収集から選んでいくまでの行動を再現してもらった。
情報収集フェーズ、絞り込みフェーズ、意思決定フェーズの3つに分類し、フェーズごとのユーザー心理と推奨アクションを解説していく。
相続に伴う不動産売却カスタマージャーニーマップ
今回の調査の場合、相続がきっかけで不動産売却を検討したユーザーの行動傾向は以下のようになることが分かった。
1)情報収集フェーズ
相続に伴う売却ニーズは「スピード重視」
相続の場合、自分の居住地と相続物件が離れた場所にあるため、空き家の手入れに行けないなどの理由から、早く売りたいという傾向にあった。
相続手続きなどで売却手配まで手が回らない事が多いため、できるだけ手間なくスピーディーに売却を終わらせたいという理由からだ。
情報収集フェーズの推奨アクション
✔ホームページへの売却サービスの明記
✔一括査定サイトの活用
2)絞り込みフェーズ
早く連絡をくれた会社から接触する
一括査定サイトから見積もり依頼を送るユーザーは、一括査定サイトから見積を依頼した後、早く連絡をくれた順に現地調査の日程を調整する傾向にある。
その際、連絡の速さと並行して、一次提出の査定金額が高い順に連絡を返すという、さらなる絞り込み方法もあった。
選ぶ不動産会社の規模が分かれ始める
相続物件から遠方に住んでいる相続人の場合、土地勘のある地元不動産会社にお願いしたいというニーズが多い。
行動例として、インターネットで「地名 不動産売却 地元不動産」というキーワードで検索し、検索結果画面に表示されたサイトタイトル「●●市の地元密着型不動産なら~」を見て、とある不動産会社のホームページを迷わずクリックしたユーザーがいた。そのホームページを回遊した結果、やはり売却希望物件の近くの売却実績もある地元不動産会社の方が、全国規模の大手不動産よりも信用できそうだと確信したという。
絞り込みフェーズの推奨アクション
✔一括査定サイト経由の連絡は30分以内に返す
✔自社の特徴と実績を明記したホームページ構築
3)意思決定フェーズ
シビアに「査定金額」で選ぶ
売却方法と条件を見定めた後、選び方は二極化する。1つめは、査定金額が高い会社に依頼するということだ。これは前述のアンケート結果でも顕著に表れた内容でもある。
理由として一番多く挙げられたのが、「売却完了までの一時的な付き合いとなる会社」であるため、金額だけで選ぶというものだった。
信用できる「担当者」で選ぶ
もう一方の選び方として、査定金額よりも担当者の人柄で選ぶというものだった。
絞り込みフェーズでは「会社」を見ていたユーザーは、最終的な売却先を決める意思決定フェーズでは「担当者の信用」要素が決定要因として大きいことが分かった。
前述のアンケートの通り、実際に売却したユーザーが不動産会社を選んだ決め手として、査定金額と営業担当者の人柄が同率1位ということが分かった。つまり、査定金額で勝負できない場合、担当者の人柄で勝負しなければならないということでもある。
意思決定フェーズの推奨アクション
✔売却スキル+誠実な対応+@の知見で信頼を積み重ねる
✔適正な査定金額根拠の明示
株式会社WACUL 取締役CIO 垣内氏よりコメント
ローカルビジネスのデジタルマーケティングは「総合格闘技」である。なぜなら自社を選んでもらうまでに、検索エンジン、比較サイト、口コミ、地図、街頭看板など様々な媒体にユーザが接触するためだ。
自社サイトが重要なのは言うまでもないが、自社サイトだけを豪華絢爛に作り込んでも誰も見に来てくれない。自社サイトは、2~3社の最終候補に残った時に、背中を後押しするために存在する。
宣伝予算の小さいローカルビジネスほど、無料で掲載できるサイトへのコンテンツ提供に心血を注ぐべきだ。口コミへの返信、GoogleMAPの情報量拡充、全ての比較サイトへの掲載など、やれることはいくらでもある。
加えて中小不動産の「売却」案件獲得は、ユーザの切迫度が高いうえ、デジタルで検索される可能性が高いため、本気で取り組めば見返りは大きいだろう。ユーザ行動を俯瞰した上で、自社の露出を高める施策に今すぐ取り組むべきだ。
さいごに
今回の調査では、売却における不動産会社が選ばれるために必要なことは「信用」と「売却金額」であることが分かりました。
これは当社が全国300社以上の不動産会社様との取引をいただいている中で、知っていたつもりではありましたが、定量的に明確になったことで、確信に変わりました。
今後も売主様と不動産会社様の双方が満足できる売却結果になるよう、ミスマッチを起こさないためにも、今回の調査結果を発信し続けたいと思います。
「不動産売却 集客パッケージ」サービスリリース
今回の調査で分かったことをもとに、中小不動産売却の依頼獲得支援のためのパッケージサービスをリリースいたしました。
当社がこれまで不動産業界のみなさまへ発信していた情報に加えて、売主様の実際の行動を知ることで、さらに根拠ある内容になりました。
詳しくはこちらをご覧ください。
資料ダウンロード特典
中小不動産会社向け売却獲得の勝ちパターン
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レポート内容を解説している不動産会社向けウェビナーも同時開催しておりますので、売却依頼の獲得にお悩みの不動産会社様はぜひご参加ください。
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ブランディングテクノロジー株式会社 経営戦略室 マーケティング推進課