CSR CSR活動レポート

インクルーシブデザインワークショップ②

「優しいWebデザイン」を考えるインクルーシブデザインワークショップ

インクルーシブデザインワークショップ②

前回のレポートに引き続き2月も「インクルーシブデザインの日」を設け、視覚障害を持った方にとっても使いやすいWebデザインは何か、を探るワークショップを開催しました。
(「インクルーシブデザイン」という意味については前回記載しています。
こちらから是非チェックしてみてください。

インクルーシブデザインとは?

※一般的なデザインとインクルーシブデザイン比較

今回のテーマとゴール

・【テーマ】
「当たり前に使っているWebサービスをスマホで使用した際の「使いやすさ」についてインクルーシブデザインの視点で考える。」

・【ゴール】
「視覚障害をお持ちのリードユーザーとの対話を通じて発見・気づきを共有できている状態」

上記を設定し、ワークショップを進めていきました。

見える人の当たり前がとても使いにくい

今回のワークショップで改めて気づかされたことは、視覚障害をお持ちの方でもスマートフォンの方がよく使うという点。
誰しもが使う想定のもと創られ、音声読み上げ機能や白黒反転画面の設定が出来るようになっています。

ですが、そのスマートフォンを使用して、見るWebサービスが目が見えづらい方にとってはとても使いにくい。
アクセシビリティという言葉が一般的にも認知されてきている中、この使いづらさはいかがなものか、とワークショップ内でも驚きの声が生まれました。
視覚に障害をもつリードユーザーの方たちが私たちに語りかけてくれる事によって、思いもつかなかったような視点から、Webサービスについてのアドバイスを頂きました。

ワークショップの流れ

当日は以下のような流れでワークショップを行いました。

①自己紹介

社外の方にもご参加いただきましたので、自己紹介の時間を設けました。
今回はデザイナーやWebコンサルタントの方だけではなく、製品企画の仕事をされている方が新しい視点を取り入れたい!との事で参加頂いておりました。

②前回の振り返り

前回は、弊社保有サイト「歯科タウン」を視覚障害がある人に実際に使ってもらい、改善点のピックアップと解決策をインクルーシブデザインの観点から話合っていました。

③スマートフォンで見た際の歯科タウンのインクルーシブデザイン批評

今回はスマートフォンを使って「歯科タウン」を見てもらい、前回と同じく改善点と解決策を話し合いました。

インクルーシブデザイン白黒反転画面

※白黒反転した際のiPhone画面の見え方

④今後の動きについて

今回のワークショップでの気づきをもとに、Webデザインを構築する上でどのようにインクルーシブデザインの視点を組み込んでいくか、問いが生まれました。
それを発見していく事を今後の動きの1つとして設定し、各々の事業でこの視点を生かしていくためにはどうすれば良いのかをさらに深堀してたいと思います。

インクルーシブデザイン改善点

※付箋にメモされた改善点の一部

 

⑤感想を発表

今回は社外の方にも多くご参加いただきました。一部の方の感想をご紹介しています。
ご参加いただいた方、リードユーザーの方、本当にありがとうございました!

・WebコンサルタントMさん

視覚障害がある人は、Webサイトの理解度によって見やすさが違う事を改めて認識しました。
あるべき情報の構図とは何なのか、何度も常識を揺さぶられるのがとても楽しかった!

・デジタル系コンサル会社で働くOさん

普段からUI系について考えているが、リードユーザーが言ってくれる本質的な問いに対する答えがとても刺さりました。
個別の視点を入れながら最終的にみんなに受け入れられるものを考える時はどうすれば良いのか、今後働いていく上でも考えていきたい。

・デザイナーSさん

今走らせているプロジェクトの顧客からの要望が「より多くの人にとって使いやすい」という点だったため、とても良い機会だった。
フォントリサイザーや反転機能をとりあえずつける事だけを考えていたが、そもそも視覚障害を持っている方は個人で白黒反転等設定を行っているので、サイトには付けない方が良いのかもしれない、ともう少し考えたいと思う。

今回で出てきた問い

「Webデザイン」はいくつかのプロセスから成り立っています。
インクルーシブデザインを、デザインプロセスの中に盛り込んでいく必要性は理解してきましたが、果たしてどの段階に入れれば一番効率的に成果物を生み出す事が出来るのでしょうか。

今回のワークショップにおいて新しい問いが生まれました。
この答えを見つけて、私たちの事業においてもチェックリストとして入れるべき項目だと強く思います。

今後も毎月19日はインクルーシブデザインの日とし、多様な人をデザインプロセスに巻き込みながら「優しいデザイン」というテーマについて掘り下げていきます。

ご協力いただいた「NPO法人collable(コラブル)」さん

今回も「NPO法人collable(コラブル)」さんにご協力いただきました。
コラブルさんも企業や組織向けにワークショップを開催されており、私たちだけでは到底考えが及ばない様な、インクルーシブデザインについての考え方のアドバイスと、リードユーザーをお呼びした際のスムーズなワークショップの進め方を教えて頂いています。
ありがとうございました!

「NPO法人collable(コラブル)」http://collable.org/about-us