企業ブランドコンサルティング会社の選び方 ~各業者の特徴や選定のポイントを公開~
目次
- このような方におすすめの記事です
- 最初に明確にしておくべきブランディングの目的
- 「企業ブランディング」と「商品ブランディング」の違い
- 企業ブランディング
- 商品ブランディング(製品ブランディング)
- 自社に合ったブランドコンサルティング会社の選び方
- 「プロセスから選ぶ」ブランドコンサルティング会社
- 「企業規模から選ぶ」ブランドコンサルティング会社
- 「タイプから選ぶ」ブランドコンサルティング会社
- 「チーム体制から選ぶ」ブランドコンサルティング会社
- ブランドコンサルティング会社のチェックポイント
- ①企業規模、業界・業種など近しい実績があるか
- ②予算に妥当性があるか
- ③一気通貫でブランディング対応ができるか
- 本記事のまとめ
- 業者選定のための要件を整理できる「ブランディング・オーダーシート」
「ブランディング業者やブランドコンサルティング会社で検索するとたくさん企業が出てくる。でも、どこに頼めばいいか分からない・・・」「企業ブランディングのコンサル会社はいろいろあるけれど違いが分からない・・・」など、自社ブランディングをどこのコンサル会社に頼めばいいか分からない企業様が多いかと思います。
ブランディングの定義はブランドコンサルティング会社によってもまちまちであったりと、分かりにくい部分があります。また、成果も曖昧になりがちなので「ブランディングをしたけれど何も変化が起こらない」という残念な結果に終わることもあります。
当社は中小・地方企業様のブランディングによる集客支援を行っており、その際にお客様から会社選定に関するお悩みをお聞きすることが多々ありました。本記事では、中小企業様が自社に合ったブランドコンサルティング会社を選ぶ際のポイントを解説していきます。
また、記事の最後にブランディングの要件定義を自分たちで整理するのに役立つ要件定義シート「ブランディング・オーダーシート」をダウンロードいただけます。最後までお読みいただき、ブランドコンサルティング会社にブランディングを依頼する際のご参考としてお役立てください。
このような方におすすめの記事です
- 自社ブランディングを行おうと思ってはいるが、どの業者に依頼していいか分からない
- コンサルティング会社からブランディングの提案をされたが、判断ができない
- 過去にブランディングを行い、業者選びで失敗したことがある
最初に明確にしておくべきブランディングの目的
「企業ブランディング」と「商品ブランディング」の違い
本題に入る前に、「企業ブランディング」と「商品ブランディング」の違いについて簡単に触れておきます。一言でブランディングと言っても、企業ブランディングや商品ブランディングによってプロセスが異なるからです。また、上記で挙げたブランディング以外にも、「採用ブランディング」や「事業ブランディング」など、さまざまな種類があります。
「自社は何をブランディングすべきなのか?」を整理し、予めブランディングの対象や目的を明確にしておくことで、貴社に合ったブランドコンサルティング会社の判断がつきやすくなります。
企業ブランディング
企業に対して行うブランディングを意味し、企業理念やミッション・ビジョン・バリューの策定、ブランドメッセージやロゴマークの一新など対象範囲は多岐に亘ります。また、アウターブランディング(社外に向けてブランドを発信する活動)とインナーブランディング(社内に向けてブランドを発信する活動)の2軸があり、それぞれ中長期的に継続していく必要があります。
商品ブランディング(製品ブランディング)
商品やサービスに対して行うブランディングを意味し、商品やサービスの機能的価値だけでなく情緒的価値も付加価値(ブランド)として伝えていきます。BtoC企業では、消費者に自社商品やサービスを選んでもらう理由付けができたり、他社商品やサービスと差別化することで価格競争からの脱却が図れる効果が期待できます。
自社に合ったブランドコンサルティング会社の選び方
自社の課題に合ったブランドコンサルティング会社を選ぶには、いくつかのポイントがあります。こちらでは、そのポイントを解説します。
「プロセスから選ぶ」ブランドコンサルティング会社
まずは、企業ブランディングの大まかなプロセスを解説します。ブランディングは大きく分けて、「①ブランドの構築」「②ブランドの反映」「③ブランドの浸透」の3つのプロセスから成り立っています。
①ブランドの構築
まず最初は、ブランドを構築することから始まります。インタビューやアンケート、社内調査やユーザーリサーチなどを行いながら、あらゆる角度から企業ブランドを浮き彫りにしていきます。企業ブランドが何もない状態から、インタビューなどを通じて少しずつ言語化・視覚化されていきます。このプロセスで経営理念やミッション・ビジョン・バリュー、ブランドメッセージ、ロゴマークなどが策定されます。
②ブランドの反映
ブランドが構築できたら、次は各種タッチポイントに反映させていきます。タッチポイントとはブランドとターゲットが接点を持つ場所のことで、Webサイトやパンフレット、名刺、看板など、オンライン・オフラインを問わず多岐にわたります。ブランドとターゲットが接点を持つそれぞれの場所にブランドを反映していくことで、ブランドが認識されます。
③ブランドの浸透
最後にブランドを浸透させていくプロセスがあります。インナーブランディング(社内)・アウターブランディング(社外)に、ブランドを一貫して発信し続けていくことでブランドが蓄積されていきます。
「ブランド構築はA社、ブランド反映はB社に依頼しよう」「C社はブランドの浸透ができないけれど、費用が安いので依頼しよう」など、ご要望はさまざまかと思いますが、先に結論をお伝えすると「すべてのプロセスを同じブランドコンサルティング会社に依頼すべき」ということです。
それぞれのプロセスを別々の企業に依頼してしまうと、一貫性のないブランディングになる可能性が大きくなります。ブランディングの大切な要素として「一貫性」がありますが、これは一貫したメッセージを繰り返し伝えていくことでブランドが蓄積されることに由来します。
せっかくのブランドがバラバラにならないように、一気通貫でブランディングを任せられる企業を選びましょう。
ブランドをバラバラにしないためには、一気通貫で対応できる会社を選ぶ
以上、大まかではありますがブランディングのプロセスをご紹介しました。最初にお伝えした通り、それぞれのプロセスを別々の制作会社やブランドコンサルティング会社に依頼するよりも、一気通貫して実行できる企業を選びましょう。
「企業規模から選ぶ」ブランドコンサルティング会社
ここでは、企業規模ごとに選ぶべきブランドコンサルティング会社を解説します。
大手企業が選ぶべきブランドコンサルティング会社
大手企業の場合、複数のグループ会社があることや、グローバル展開していることも多く、ブランディングの影響範囲が大きくなる傾向があります。 その際に、様々なリサーチや制作、広告施策などを滞りなく実行するためにも、ある程度の企業規模があり、グローバル企業や大手実績のあるブランドコンサルティング会社を選ぶと良いでしょう。
逆に小規模のブランドコンサルティング会社の場合、キャパシティーの問題からブランディングのプロセスを一貫して対応できないこともあるため注意が必要です。
中小企業が選ぶべきブランドコンサルティング会社
中小企業の場合、自社でブランディングの経験が無かったり、予算やリソースなどの都合で制限があるケースが多くあります。こういった背景から、大手企業のブランディング事例をそのまま中小企業に当てはめても成功確率は低いでしょう。
そこで中小企業が選ぶべきブランドコンサルティング会社の条件は、以下の3点が挙げられます。
- 費用に対し見込まれる効果が明確で投資判断ができる
- 中小企業規模で同業界の事例がある
- 限られた予算の中でも一気通貫で対応できる体制がある
数あるブランドコンサルティング会社を選ぶ際には、この3点を基準に選定してみると良いかと思います。中小企業には同規模、同業界での成功実績があり、限られた予算からでも投資対効果が期待できる会社を選ぶと良いでしょう。
「タイプから選ぶ」ブランドコンサルティング会社
ここからは、ブランディングにおけるコンサルティング会社をタイプ別に分類して見ていきます。ブランドコンサルティング会社と言っても、さまざまなタイプがあります。
こちらでは、下記の4つのタイプに分類してご説明します。
- ブランディング全般が得意な「ブランドコンサルティング専門会社」
- 経営/戦略視点からのブランディングに強い「経営・事業戦略コンサルティング会社」
- マーケティング視点からのブランディングに強い「マーケティングコンサルティング会社」
- デザインやクリエイティブ制作に強みのある「クリエイティブコンサルティング会社」
①ブランドコンサルティング専門会社
ブランディングの戦略立案から構築・制作・浸透施策を一気通貫で行っている会社が多いです。一部の会社はクリエイティブの制作や浸透のためのプロモーションを外部の制作会社に委託しているケースがありますが、ディレクションとして監修に入っているため一貫性を保つことができます。
②経営・事業戦略コンサルティング会社
経営・事業戦略系のコンサルティング会社は、経営や事業戦略と紐づけたブランディングを行っています。顧客の経営戦略を理解した上で、市場調査やユーザーリサーチなどを行い、エビデンスとロジックに基づいたブランディングを提供してくれるでしょう。
ただし、社内にクリエイティブチームを持っていないケースが多いので、ロゴマークやメッセージなどのクリエイティブの制作は外注パートナーに任せているケースが多く、その分のコストがかさむ傾向があります。
③マーケティングコンサルティング会社
デジタルマーケティングを得意とするマーケティングコンサルティング会社が増えていますが、市場調査やユーザーリサーチなどをベースに、デジタルの施策を行うことで集客改善などに貢献してくれます。
こちらも経営・事業戦略系のコンサルティング会社と同様、社内にクリエイティブチームを持っていないケースが多いです。
④クリエイティブコンサルティング会社
最近ではブランディングを提供している、デザインを得意とするクリエイティブ制作会社も増えてきました。ブランドメッセージやロゴマークはもちろん、Webサイトやパンフレット制作などオンライン/オフラインを問わず対応出来る制作会社が多くあります。
大手広告代理店の中には、企業ブランディングを専門に行うチームを持っているケースがあります。ブランディングを戦略面とクリエイティブ面の両面からサポートしてくれるので丸ごと任せられやすい反面、費用が高くなる傾向があります。
「チーム体制から選ぶ」ブランドコンサルティング会社
ここでは、チーム体制からブランドコンサルティング会社を見てみましょう。ブランディングを実施するには、さまざまな職種が関わります。また、チームメンバーも規模の小さいブランディングでは数名、規模の大きなブランディングでは十数名もの人たちが関わります。
プロジェクトマネージャー
経営戦略とブランド戦略を連動させながら、ブランディングプロジェクト全体を総指揮します。
プランナー (ブランド・プランナー) |
ブランディングプロジェクトにおける、中心的な役割を果たします。ブランディング全般のプランニングを行い、依頼企業側と制作側の橋渡しを担います。 |
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デザイナー | ロゴマークやグラフィックなど、企業ブランドの可視化を担います。 |
ライター | インタビューをベースに企業理念、ミッション・ビジョン・バリューの制作など、言語化領域を担います。 |
ディレクター | メディア設計など制作物のディレクションを担います。 |
必要な人材を社内で揃えているブランドコンサルティング会社は多くない
実際にブランディングを行うには、上記に挙げた「プロジェクトマネージャー」「プランナー」「デザイナー」「ライター」「ディレクター」が必要になってきます。また、ブランディングの内容によっては、マーケターやアートディレクターなど、他の職種のメンバーが必要になってくるケースがあります。
上記で挙げた職種のスタッフを、社内で揃えているブランドコンサルティング会社は多くありません。一貫したブランディングを行うためにも、ブランディングに必要なメンバーを社内に揃えているブランドコンサルティング会社を選ぶのがベストでしょう。
ブランドコンサルティング会社のチェックポイント
最後に、ブランドコンサルティング会社を選ぶ際の基準をお伝えします。これまで、さまざまな観点からブランドコンサルティング会社を見てきましたが、基準を明確にしておくことで迷うことなく選べるかと思います。
①企業規模、業界・業種など近しい実績があるか
まずは、近しい企業規模や業界・業種のブランドコンサルティング実績があるかどうか確認してみてください。ブランドコンサルティング会社にも、得意領域・不得意領域があります。
一部のブランドコンサルティング会社の中には、特定の業界に特化している企業もあります。専門的な知識や業界特有の成功パターンを持っているので、特定の業界と自社がマッチしている場合は依頼してみると良いでしょう。
②予算に妥当性があるか
ブランディングの予算は千差万別です。同じ条件でも、「A社は数百万円なのに、B社は一千万円もする」ということもあります。一概に価格が高ければクオリティの高いブランディングが期待できるとも限らないので、慎重に見極めることが大切です。複数のブランドコンサルティング会社から見積もりと提案書をもらい、実施する内容に見合った金額かをチェックしましょう。
詳細なブランドコンサルティング費用・料金相場については、下記の記事にてまとめています。ぜひご覧ください。
関連記事:ブランディングのコンサルティング費用・料金相場について~結論、依頼を曖昧にすると損をします~
③一気通貫でブランディング対応ができるか
この記事でも繰り返しお伝えしている通り、一つのコンサルティング会社が一気通貫でブランディングが行えるか否かは、中小企業がブランディングを依頼する際の大きなポイントとなります。
一気通貫でブランディングの対応ができるコンサルティング会社の方が、ブランディングにブレがなくなるだけでなく、余計なコストが発生しないためメリットが大きいと言えます。
本記事のまとめ
「ブランドコンサルティング会社」と言っても、さまざまなタイプがあることがご理解いただけたと思います。
ブランディングにおいて何よりも大事なのは、「ブランディングの目的を明確にしておく」「どんなタイプのブランドコンサルティング会社に依頼するか」の2点だと思います。
そしてもう一つ大事なのが、ブランドコンサルティング会社任せにしないことです。ブランディングはブランドコンサルティング会社が中心になって進めますが、任せっきりにはしないようにしましょう。あくまで自社のブランディングなので、「自分たちのブランドをつくる」という当事者意識を持って取り組みましょう。
失敗しないための『ブランディングの業者選定のコツが分かる本』
経営課題を解決するためブランディングの見直しを検討する際、ブランディングと一言で言っても、対象となる範囲が広いため、どういった業者に依頼すればいいのかが分からないという状態に多くの方はおちいっているのではないでしょうか。そういった、疑問を解消するためのガイドブックとして、企業選定の参考になればと作成いたしました。自社の課題にあった企業を選定する一助にしていただけましたら幸いです。
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