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認知度が高くとも差別化が重要!ナショナル企業の販売店が実施した人財・サービスブランディング事例

今回ご紹介するのは、北海道旭川市にある「ネッツトヨタたいせつ様」です。トヨタの販売店として、「CS(顧客満足度)管内No.1」という強みを持っている一方、トヨタが全社的に行った「全車種販売化」をきっかけにブランディングの構築と向き合い直した会社でもあります。ここでは、社長の渡邊智様にお話を伺い、全体的な課題とブランディングのプロセス、社内の変化などを見ていきます。

トヨタブランドに甘んじず自社の強みをブランディングで発信

「商品」による店舗差別化が難しくなりブランディングに取り組む

社長就任後まず目指したのは「お客様志向」の会社

私は2019年5月から「ネッツトヨタたいせつ」の社長を務めています。新しい会社を担当し「会社を変えていこう」と取り組む中で着目したのは、「お客様と長く親しくお付き合いができる」という当社の強みです。元々ある強みをさらに伸ばすため、そしてもっとお客様志向の会社にしていこうという中で踏み切ったのが、ブランディングへの取り組みでした。

ネッツトヨタたいせつ株式会杜  代表取締役 渡邊 智 様

メーカーのブランディングと接続した販売店ブランドのアピールを

トヨタにおける大きな変化もブランディングに踏み切った大きな理由のひとつでした。トヨタでは、2020年5月から「全車種併売化」をスタートさせています。これまでは、「クラウンを買うならトヨタへ行こう」「アルファードとハリアーに興味があるから、トヨペットに行こう」という認識がお客様の中にありました。しかし、メーカー主導の全車種併売化により商品での差別化ができなくなったのです。これは、お客様が車の購入と結びつけていた「暖簾」がなくなったことを意味します。

しかし、そうした状況の中でもトヨタの販売構造上、競合他社とトヨタ販売店の両方と差別化することは必須でした。今回、当社がブランディングに取り組んだのは、そうした変化の中でメーカーのブランディングと接続した販売店のブランドをアピールする必要もあると感じたからです。

現場社員レベルのブランディング浸透を目指す

インナーブランディングへの取り組みで「新しい風」を吹かす

私はこれまで、さまざまな広告戦略に取り組んできました。その中で、アウターブランディングと同じくらい、インナーブランディングも大事だと常に感じています。なぜなら、どれだけブランディングの“外見”が良くても、会社の実態が乖離している場合、せっかくのブランディングも意味を成さないと思うからです。そうならないためには、インナーブランディングに対する社内意識の向上が必要だと私は考えています。

しかし、ブランディングの社内浸透を考えるうえでは、社長が作った指針を社員に示すやり方ではあまり意味がないでしょう。社員の気持ちやなじみのある言葉が入っていて、共通認識を持てるようなものが必要です。ブランディングテクノロジーさんでは、ワークショップを開催することで社員同士が意見交換できる場を設けてくれました。

こうした取り組みを始めてまだ1年ほどなので、営業スタッフや社員にどこまでブランディングが浸透しているかは、正直分かりません。しかし、会社に新しい風を吹かせることができたと感じています。

ブランディングでメーカーと販売店の立ち位置の違いを明確化

レギュレーションを固めることでクリエイティブコントロールも可能に

実際にブランディングテクノロジーさんにお願いしたのは、ブランドコンサルとレギュレーション制作です。提供内容に対して、比較的低価格で引き受けていただきました。実際のブランディングでは、メーカーと販売店の立ち位置の違いを明確にし、顧客との関係性を定義できたと感じています。また、新車販売・購入者の顧客属性に合わせたメッセージングも実現できました。ブランドのレギュレーションを固められたため、クリエイティブコントロールができるようになったという点も、大きな一歩だったと言えるでしょう。

ブランディングで自社の強みを根拠づけることに成功

世の中の流れに見合った変化を実現するためブランディングを決意

実際にブランディングテクノロジーさんを知ったきっかけは、偶然見つけた記事です。世の中がDXに向け舵を切っていることや、さらに新型コロナウイルス感染症の影響でニューノーマルという考えが社会の中で定着しつつあることを受け、私たちは何をすべきかと考えているタイミングがありました。そんなとき、目に留まった記事がブランディングテクノロジーさんの社長インタビューだったのです。その記事に共感したことと、トヨタがブランディングテクノロジー東京本社さんとお付き合いがあった事実を知ったことで、当社のブランディングをお任せすることに決めました。

費用対効果の良さでブランディングテクノロジーを選ぶ

実際に契約したきっかけは、ブランドコンサルの価格が140万円とかなり低価格だったことです。インナーブランディングに重点を置いていたので、プロジェクトメンバーが成果を生む支援もできるとプレゼンしてくれたことも魅力でした。実際の成果以外に、それまでのプロセスにも価値を感じることができています。

ワークショップで社員間の共通認識を醸成

インナーブランディングを深めるにあたり印象的だったのが、ブランディングテクノロジーさん開催のワークショップです。社員間でアンケートを取ってもらったり、担当者さんに司会をしてもらって社員同士で意見交換をしたりと、数回にわたってセッションを設けていただきました。社員が「自分たちがこのブランドを作ったんだな」と実感できています。

ワークショップ一部資料

「CS管内No.1」という強みや独自の取り組みを考慮

当社には、「CS管内No.1」という隠れた強みがあります。実際のブランディングにおいては、この強みをどのように根拠づけるかを意識しました。タグラインを制作する際に意識したことはほかにもあります。まず、先行していた「店舗内装のリニューアルを活かす」「車の困りごと以外でも気軽に来店できるよう来店ハードルを下げる」という取り組みです。そして、メーカーのブランドメッセージに販売店である当社がどう接続するかという点も意識しました。「ココロ動かす、トヨタのお店」というタグラインは、当社の持っている特性や取り組みを考慮して誕生したのです。

さまざまな広告媒体で自社のブランドを打ち出せるように

タグラインなどのブランディングを終えて思うことは、「ネッツ」という社名やタグラインを入れてSNSや新聞などで広告を出す際に、自分たちのブランドをしっかり出せているという点です。これまでは「〇〇フェア」と付けることもありましたが、今はイベント名を出す必要がなくなっています。その点では、今回のブランディングをいろいろなシーンで活用できるようになって良かったと感じています。

今後の目標は人・サービスでの差別化

自社プロジェクトの支援をブランディングテクノロジーに期待

今後は、メーカー他店舗とハード(自動車)ではなく、ソフト(人・サービス力)で差別化を図っていきたいです。その中でブランディングテクノロジーさんには、当社が社内で自発的なプロジェクトを生み出し、社内改善のプロジェクトを支援する役割をお願いしたいと思っています。

認知度が高くとも差別化が重要!ナショナル企業の販売店が実施した人財・サービスブランディング事例

前提課題

ここでは、ネッツトヨタたいせつ様が抱えていた課題について解説します。

同エリア内の差別化

トヨタでは2020年5月からメーカー主導による「全車種併売化」を実施しています。これにより各販売店は商品による差別化ができなくなりました。そうした中でも、トヨタの販売構造上、競合他社とトヨタ販売店他社の両方と差別化する必要があったため、メーカーのブランディングと接続した販売店のブランドが必要となったのです。

来店ハードルが高い

多くの顧客にとって、「カーディーラーには新車を購入するときにしか行かない」というイメージが定着していました。しかし、購入を決めていないお客様にも足を踏み入れてもらうことが必要です。そこで、「コンビニのように立ち寄ってもらいたい」という狙いでカフェスペース、キッズスペースなどを充実させるといった施策を実施しました。しかし、新規集客に繋がるフックがなく来店ハードルは高いままだったため、呼び水となりうるような施策を求めていたといいます。

ブランドメッセージの浸透不足

現場にいる社員までブランドメッセージが浸透していないという点も、大きな課題でした。経営層が自社ブランドについてどれだけ熱弁しても、現場の関心が薄ければ真の意味で浸透は実現できません。インタビュー中に社長がおっしゃっていたように、ブランドが社員層まで浸透していないと、ブランドとしてアピールする内容と実態が乖離するリスクもあります。そこで、アウターブランディングと同時にインナーブランディングも急務というのが実情でした。

ブランドメッセージの浸透不足

ブランディングの成功ポイント

新規顧客向けのタグライン策定

ネッツトヨタたいせつ様では、ブランディングテクノロジーでのプロジェクトが始まる前から、地域のお客様との関係性をより良好なものにするべく店舗内装の改善を進めていました。そこで、自動車販売店への来店ハードルを下げる効果を狙い「ココロ動かす、トヨタのお店」という、既存顧客だけに絞らないメッセージを採用することになったのです。タグラインの作成と内装改善の両方をタイミング良く実施できたことで、購入後の満足度との接続に成功しました。お客様の呼び水になるタグラインを提供できた好例と言えるでしょう。

新規顧客向けのタグライン策定
既存顧客向けのキャッチコピー

今回のブランディングでは、メーカーから発信されているクレド(※)の中にある「頼ってもらえる存在になる」という文脈と接続し、既存顧客向けのキャッチコピーを作成しました。ブランドメッセージを「つい、頼りたくなる存在へ「ありがとう」を原動力に―。」として表現し、メーカーの想いと販売店の想いの両方を発信できる内容を実現したのです。その結果、お客様に信頼性をより訴求できる仕上がりになりました。
※クレド……ラテン語で「信じる」の意。「企業活動において拠り所とする価値観」「行動規範を簡潔に示した言葉」を意味する。

既存顧客向けのキャッチコピー
インナーブランディングに対する社内意識の向上

「ブランドメッセージはあるものの、社内浸透のための方法が分かっていなかった」という課題を解決するため、社員向けに動画を作成したり、社員向けのワークショップを開催したりしました。ブランディングテクノロジーのスタッフが司会を務め、現場の社員層までブランドが浸透していなかった原因を解説。社員同士が意見交換できる場も設けることで、社内意識の向上を図りました。

まとめ・お客様インタビュー動画

ネッツトヨタたいせつ様には「CS管内No.1」という評価の裏で、お客様第一のマインド・教育が浸透している、とても温かく優しい企業という印象があります。旭川という立地上、雪による車両トラブルが多くあるそうなのですが、お客様の車両が雪に埋もれて立ち往生していた際には、まずネッツトヨタたいせつの営業に電話が入るそうです。その営業の方が雪の中からお客様の車を掘り出し、お客様を救出したというエピソードもあり、各社員が高いホスピタリティを持っていることが伺えます。

しかし、そんなネッツトヨタたいせつ様でも、2020年の「全車種併売化」を受け、トヨタの販売店では各店舗における「商品」での集客が難しくなりました。また、車の購入を決めていないお客様が入店ハードルを感じていたため、集客のための一歩を踏み出せていなかったことも、課題のひとつだったと言えます。そうした中、急務となったのが「同メーカーの他店舗と一線を画すこと」と、「メーカーとの接続を行うこと」です。ネッツトヨタたいせつ様ではブランディングを見直したことで、これらの課題を解決し、他店舗や競合店との差別化を実現しました。

実際にブランディングを進めるにあたり、印象的な動きもありました。例えば、お客様の見えないところで行われている、来店時の気持ち良さやサービス品質の向上を行う姿勢をタイミング良くキャッチコピーで示すことができた点です。実際に地域No.1として評価されていることを示すことでも、ネッツトヨタたいせつ様の取り組みが間違いのないものであると裏付けができました。

また、社長の渡邊様はインタビューの中で、「以前は企業理念に付随した行動基準や価値観を文章で示していたが、いわゆるZ世代や20~50歳代の社員が中心になる会社では、そのやり方は古いのではないか」とおっしゃっており、ブランディングは時代の流れに合わせ選択した施策だとも言及されました。トヨタのように一般的には認知度が高いとされる企業でも、内部ではさまざまな状況や課題を抱えているのが現状です。今回のブランディングでは、現状の認知度に甘えず、オンリーワンらしさを追求する姿勢を、私たちブランディングテクノロジー側も教えていただいた事例となりました。

お客様インタビュー動画

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担当したwebブランディングプロデューサー
ブランディングテクノロジー株式会社_N.YOSHIHIRO

N.YOSHIHIRO

AP営業部 ブランディング プロデューサー

東京都世田谷区生まれ。2009年ブランディングテクノロジーに入社。1,200名以上の経営者の「想いに応える」ためブランディングとメディア活用を支援。
デジタル領域では戦略立案、KPI設計、運用を個人事業主から上場企業まで幅広く対応。営業部長を経て、現在は企業ブランディングチーム立ち上げに従事。

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