新卒採用はまさに企業の未来を形作る過程ですが、どのように最適なスケジュールを計画し、実行するかは多くの採用担当者にとって頭を悩ます課題です。
本記事では、大手企業から中小企業、外資系企業までの実践的な新卒採用スケジュール例を通じて、効果的な人材獲得の方法を解説しています。
参考にしながら自社に取り入れてみましょう。
この記事でわかること
- 新卒採用プロセスにおけるスケジュール管理の重要性
- 採用プロセスの効率化と最適化
- 成功する採用戦略の例と事例研究
こんな人におすすめの記事です
- 新卒採用を初めて担当する人事担当者
- 中小企業の経営者や採用担当者
- 人事部門の改善を求める企業の管理職
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目次 [show]
新卒採用スケジュールの基礎
新卒採用スケジュールは、企業側が新卒採用活動を効率的かつ効果的に行うために理解しておくべきポイントがいくつかあります。
ここでは、
- 新卒採用スケジュールと経団連、政府のルール
- 新卒採用スケジュールのテンプレート
について、解説していきます。
新卒採用スケジュールと経団連、政府のルール
経団連のルール
経団連は、日本の主要な経済団体で、会員企業に対して新卒採用活動のための指針を設けています。
ただし、経団連のガイドラインは法的な強制力はなく、あくまで会員企業に対する推奨事項に過ぎません。
経団連のルールは時期によって変更されることがありますが、一般的には以下のようなスケジュールが設定されています。
企業説明会:3月1日以降に開始。
選考活動の開始:6月1日以降に開始。
内定の通知:10月1日以降に解禁。
これらの日付は、新卒採用活動を均一に行い、学生に学業と就職活動の両方に集中する時間を確保するために設定されています。
直近の新卒採用スケジュールで考えますと、2025年卒業予定の学生を対象として、上記の通り、2024年から企業側が対応していきます。
政府のルール
日本政府、特に文部科学省は、高等教育機関の学生の就職活動を支援するためのガイドラインを提供しています。
(参考サイト)学生支援について
政府の指針は経団連のガイドラインと連携している場合が多く、学生の学業と就職活動のバランスを考慮した内容になっています。
注意点:
これらのルールは、時代の変化や社会的な要求に応じて更新されることがあります。
また、コロナウイルス感染症(COVID-19)のような特殊な状況下では、新卒採用のスケジュールや形式が臨時に変更されることがあります。
そのため、最新の情報を確認するようにしましょう。
新卒採用スケジュールのテンプレート
新卒採用スケジュールのテンプレートは、企業が年間を通じて新卒採用活動を計画し、実行するための枠組みです。
このスケジュールは、経団連や政府のガイドラインに基づいていますが、企業のニーズや採用戦略に応じて調整することが可能です。
新卒採用スケジュールテンプレート
1月~3月(準備期)
- 採用計画の立案と目標設定
- 採用予算の確定
- 採用広告やキャンペーンの準備
- インターンシップ計画の立案
3月~5月(情報提供期)
- 企業説明会や合同説明会への参加準備
- オンラインでの情報提供開始(3月1日以降)
- インターンシップの実施(任意)
6月~7月(選考開始期)
- 書類選考、WEBテストの開始(6月1日以降)
- 一次面接、グループディスカッションなどの選考開始
- インターンシップの評価とフィードバック
8月~9月(本選考期)
- 二次面接、最終面接の実施
- 職場体験や実習生の受け入れ
10月(内定通知期)
- 内定者への通知(10月1日以降)
- 内定者向けイベントやセミナーの実施
11月~2月(フォローアップ期)
- 内定者フォローアップ(メンター制度、交流会など)
- 入社前研修の準備
- 入社手続きと新入社員支援(オンボーディング)プログラムの準備
3月(入社期)
- 新入社員のオンボーディング
- 初期研修の実施
- 部門配属とメンターの割り当て
このテンプレートはあくまで一例であり、状況に応じてインターンシップの時期や内容、選考のスタイルなどを調整しましょう。
また、コロナウイルス感染症の影響によるオンライン選考の増加など、外部環境の変化にも柔軟に対応する必要があります。
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インターンシップと選考の初歩
インターンシップの計画と実施は、企業が将来の従業員を見極め、学生が実務経験を積むための重要なプロセスです。
ここでは、
- インターンシップの計画立てと実践
- 初期選考の準備と進め方
について、見ていきましょう。
インターンシップの計画立てと実践
インターンシップの計画立てと実践は、学生に企業文化を体験させ、同時に将来の潜在的な従業員採用を可能にします。
以下に、インターンシップの効果的な計画と実施のためのステップを示します。
インターンシップ計画の立案(1月~3月)
①目標の設定
インターンシップを通じて達成したい目標を明確にします。
学生に実務経験を提供すること、企業文化を紹介すること、将来の採用ラインを構築することなど、目的を具体的に設定します。
②プログラムの構築
インターンシップの期間、スケジュール、内容を決定します。
実務経験だけでなく、研修やミーティング、フィードバックセッションも含めると良いでしょう。
③担当者の指名
インターン生のサポートと指導を担当する社員(メンター)を指名します。
メンターはインターン生の業務進行を監督し、指導やフィードバックを担当します。
④求人(リクルートメント)
ターゲットとなる学生層を特定し、インターンシップの募集を開始します。
大学のキャリアセンターやSNS、企業のウェブサイトを利用すると良いでしょう。
⑤選考プロセス
履歴書や面接を通じて、インターンシッププログラムに適した候補者を選定します。
企業のニーズに合ったスキルや態度を持つ学生を選びます。
インターンシップの実践(3月~7月)
①オリエンテーション
インターン生に企業の概要、文化、期待される行動規範などを紹介します。
安全上の注意や緊急時の連絡先も伝えましょう。
②実務経験
インターン生には実際のプロジェクトや業務に取り組んでもらいます。
学習と成長の機会を提供するため、様々な部署やプロジェクトを経験できるように計画しましょう。
③定期的なフィードバック
定期的にインターン生とミーティングを設け、進捗状況のチェックとフィードバックをします。
肯定的なフィードバックと前向きな批評をバランス良く提供します。
④交流
インターン生が社内の人々と交流し、ネットワークを構築できる機会を提供しましょう。
⑤評価とフィードバック
インターンシップの終わりには、インターン生のパフォーマンスを評価し、個人的な成長と業務達成度に関するフィードバックを提供します。
⑥将来の機会検討
優秀なインターン生とは、将来的な採用について話し合います。
インターンシップの終了時に、正式な職務提案や継続的な関係構築の可能性について検討しましょう。
初期選考の準備と進め方
初期選考は、多くの応募者から最も適した候補者を選び出すための重要なプロセスです。
以下に、初期選考の準備と進め方についての例を示します。
初期選考の準備(1月~5月)
①選考基準の設定
応募者を評価するための明確な基準を設定します。
これには、必要なスキル、学歴、経験、人物像などが含まれます。
②選考チームの編成
選考に関わるスタッフを選び、役割と責任を割り当てます。
多様な視点から候補者を評価するために、異なる部門から選考メンバーを選出しましょう。
③応募書類の準備
履歴書や職務経歴書、エントリーシートなど、応募者に提出してもらう書類を決定します。
また、採用サイトなどがあれば、その設定・準備をします。
④広報活動
募集ポジションと選考スケジュールを明確にし、適切なチャネルを通じて情報を発信します。
大学のキャリアセンター、企業のウェブサイト、SNS、合同説明会などが活用できます。
初期選考の進め方(6月~7月)
①書類選考
応募書類を基に、設定した選考基準に沿って応募者を評価します。
選考基準に合致しない応募者はこの段階で外します。
②WEBテスト
必要に応じて、能力試験や性格診断テストをオンラインで実施します。
これにより、応募者のスキルや適性をさらに評価します。
③グループディスカッションや面接
書類選考やWEBテストを通過した応募者を対象に、グループディスカッションや簡易的な面接を実施します。
コミュニケーション能力やチームワーク、問題解決能力などを評価します。
④選考通知とフィードバック
初期選考を通過した応募者には次の選考ステップについて通知します。
通過できなかった応募者にも、可能な限りフィードバックを提供するようにしましょう。
⑤次のステップへの準備
初期選考を通過した候補者に対して、次の選考ステップ(詳細な面接、課題提出など)の情報を提供します。
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本格的な選考と内定後のサポート
本格的な選考と内定後のサポートは、企業の採用プロセスの中核をなす部分であり、効果的に行うことが企業と候補者双方にとっての成功に繋がります。
ここでは、
- 本格的な選考
- 内定者のフォローアップとオリエンテーション
について、説明していきます。
本格的な選考
本格的な選考プロセス(8月以降)では、初期選考を通過した応募者に対して、能力、適性、企業文化への適合性を深く掘り下げます。
以下に、本格的な選考プロセスを行う際のステップを示します。
選考プロセスを行う際のステップ
①詳細面接
個別面接:応募者一人ひとりとの深い対話を通じて、その人物像、職務経験、専門知識を詳しく理解します。
パネル面接:複数の面接官が参加し、異なる視点から応募者を評価します。
これにより、よりバランスの取れた判断が可能になります。
②実技試験・ケーススタディ
実務に基づいた課題:応募者に対し、実際の業務に基づいた課題を解決させます。
これにより、応募者の実務能力や問題解決スキルを直接確認できます。
ケーススタディ:業界固有の問題やビジネスシナリオを提示し、応募者の分析力や意思決定能力を評価します。
③コミュニケーション・適応能力
グループディスカッション:他の候補者や現行スタッフとのグループディスカッションやワークショップを通じて、チーム内でのコミュニケーションや協働スキルを評価します。
社内ツアー:応募者をオフィスに招き、実際の職場環境を見せることで、企業文化への適合性を確認します。
④最終面接
経営層との面接:
最終候補者を経営層や部門の責任者と面接させ、最終的な適合性を確認します。
給与や条件の確認:
候補者が最終的に選ばれた場合、給与、福利厚生、勤務条件などの詳細を確認します。
内定者のフォローアップとオリエンテーション
内定者のフォローアップとオリエンテーションは、新入社員がスムーズに職場に適応し、即戦力として活躍できるようにするための重要なプロセスです。
以下に、内定者のフォローアップとオリエンテーションの実施方法について説明します。
内定者のフォローアップ(10月~)
①内定通知の送付
内定者に正式な内定通知を送付します。
内定通知には、入社日、勤務地、初日のスケジュール、必要な書類、装備品などの詳細を含めます。
②ウェルカムメッセージ
経営陣や将来の同僚からのウェルカムメッセージを送り、内定者が企業の一員として歓迎されていることを感じさせます。
③定期的なコミュニケーション
内定から入社までの間に、定期的にコミュニケーションを取り、質問があればいつでもサポートを提供します。
また、企業の最新情報や今後のイベントについても共有します。
④事前課題の提供
職場に入る前に業界の基礎知識や企業文化について学べる資料や簡単な課題を提供します。
⑤メンターの割り当て
内定者一人ひとりにメンターを割り当て、入社前から関係を築き、入社後のスムーズな適応をサポートします。
オリエンテーションの実施(3月~)
①入社初日のプログラム
入社初日のスケジュールを明確にし、新入社員が何を期待すれば良いかを知らせます。
会社の歴史、ビジョン、文化、組織構造などの基本情報を提供します。
②施設の案内
オフィスツアーを実施し、重要な場所(例:食堂、会議室、トイレ等)を案内します。
③必要な書類の提出と確認
雇用契約書、税金や保険の書類、その他必要な書類を提出します。
④トレーニングプログラム
職務に関連するスキルや知識を学ぶためのトレーニングプログラムを提供します。
これには、オンライン研修、対面式のセミナー、実務トレーニングが含まれます。
⑤フィードバックとサポート
オリエンテーション期間中、新入社員からのフィードバックを積極的に求め、疑問や不安に対応します。
また、定期的なミーティングを設定して、進捗をチェックし、必要なサポートを提供します。
新卒採用スケジュールの事例
一般的な新卒採用スケジュールの例として、企業は通常、年初に採用計画を立て、春から初夏にかけて就活フェアや企業説明会を開催し、夏から秋にかけて選考プロセスを進め、秋に内定を出します。
内定者向けのフォローアップやオリエンテーション後、翌年春に入社式を迎えます。
ここでは、
- 大手企業と中小企業の新卒採用スケジュール事例
- 効果的な採用スケジュールの事例紹介
について、紹介していきます。
大手企業と中小企業の新卒採用スケジュール事例
大手企業と中小企業では、新卒採用スケジュールが異なる場合があります。
以下は大手企業と中小企業の新卒採用スケジュールの違いを表にまとめたものです。
時期 | 大手企業 | 中小企業 |
1月~3月 | 採用計画の立案・採用キャンペーンの準備 | 採用計画の立案・予算設定 |
4月~5月 | 新卒者向け企業説明会・キャンパス訪問 | 採用情報の公開・応募受付開始 |
6月~7月 | 書類選考・WEBテスト・初期面接 | 書類選考・初期面接 |
8月~9月 | 本選考(複数回の面接) | 本選考(一次・最終面接) |
10月 | 内定通知 | |
11月~翌年3月 | 内定者フォローアップ・入社前教育 | 内定者フォローアップ・オリエンテーション |
翌年4月 | 新入社員のオンボーディング |
大手企業では一般的にスケジュールがより長期間にわたり、複数の選考ステップが含まれます。
中小企業では、採用プロセスがより簡素化され、迅速に進む傾向があります。
効果的な採用スケジュールの事例紹介
効果的な採用スケジュールは、企業の採用目標達成に不可欠です。
以下に、効果的な採用スケジュールの事例をいくつか紹介します。
外資系企業の新卒採用スケジュール例
時期 | 内容 |
1月~2月 | ・採用ニーズと戦略の確定 ・採用キャンペーンや採用ページの更新、ポジションの公開 ・ダイレクトリクルーティングや就活フェアの計画 |
3月~4月 | ・ダイレクトリクルーティング、就活フェア、企業説明会の 実施 ・オンラインでの募集開始 ・エントリーシートや履歴書の提出受付 |
5月~6月 | ・書類選考とオンライン試験(言語能力、専門知識など) ・ビデオインタビューや電話インタビューを通じての初期スクリー ニング |
7月~8月 | ・一次面接(通常、部門担当者や人事部による) ・アセスメントセンターやケーススタディ、グループディスカッションなどの実施 |
9月~10月 | ・最終面接(上級管理職や地域責任者による) ・内定者向けイベントやオンライン交流会の実施 |
11月~12月 | ・内定通知と採用通知書の発送 ・入社前プログラム(オリエンテーション、オンライン研修など) |
翌年1月~3月 | ・新入社員のオンボーディング ・入社式、導入研修、部門配属 |
外資系企業の選考プロセスにおいては、自己表現能力やリーダーシップ、チームワーク、問題解決能力などが評価されます。
採用スケジュールは、地域や年度によって変わることがあるため、応募する企業の最新の情報を確認することが重要です。
Z世代向け新卒採用スケジュール例
Z世代(1990年代半ばから2000年代初頭にかけて生まれた世代)への新卒採用スケジュールは、この世代の特性を考慮した上で計画されます。
Z世代はデジタル技術に精通していることが多く、情報の透明性や多様性、即時性を重視します。
以下に、Z世代をターゲットにした新卒採用スケジュールの例を示しますので、参考にしてみて下さい。
時期 | 内容 |
1月~2月 | ・採用ニーズと目標の設定 ・採用ブランドとキャンペーンの開発、ソーシャルメディアや 企業ウェブサイトを通じた情報の更新 ・ダイレクトリクルーティングやオンラインイベントの準備 |
3月~4月 | ・就活フェア、キャンパス訪問、オンラインセミナーの実施 ・ソーシャルメディアを利用した積極的な情報発信 ・インフルエンサーや現役社員による体験談の共有 |
5月~6月 | ・オンラインでの応募受付 ・書類選考と初期スクリーニング(ビデオインタビュー、オンラインテストなど) |
7月~8月 | ・面接(オンライン含む)、アセスメントセンター、ワークショップの実施 ・個別フィードバックと次のステップへの案内 |
9月~10月 | ・最終面接、プロジェクト提案やプレゼンテーション ・内定通知と採用通知書の送付 ・内定者向けのウェルカムイベントやオンライン交流会 |
11月~12月 | ・入社前プログラム(オンライン研修など) ・定期的な内定者フォロー、質問や懸念への対応 |
翌年1月~3月 | ・新入社員向けのオリエンテーション、トレーニングプログラム ・チームとの統合、メンターとの定期的なミーティング |
このスケジュールは、Z世代のデジタルコミュニケーションへの傾倒、キャリアに対する期待、仕事と個人生活のバランスへの重視など、世代特有の特性に対応しています。
まとめ:新卒採用スケジュールの成功の鍵
新卒採用スケジュールの成功の鍵は、早期からの計画立て、明確な目標設定、候補者とのコミュニケーションの強化、選考プロセスの透明性、そして内定後の丁寧なフォローアップにあります。
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Y.SEIYA
事業推進室 Webブランディングプロデューサー
2014年新卒入社。営業所を立ち上げ4名体制まで拡大。800社以上の中小企業のWebブランディングに従事。現在は手掛けた実績を活かし、全国の中小・地方企業様のさらなる事業成長へ向け活動中。
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