注文住宅のイベント集客数平均10組!ホームページリニューアルにより元請け比率2倍になった工務店事例
目次
今回ご紹介するのは、新潟県胎内市の「河内建築」様です。先代が約50年前に個人事業主として創業し、「町の大工さん」として地元の人々から愛される家をずっと作り続けてこられました。二代目の河内太一様は、先代の「確かな仕事」を引き継ぎ、自らも一級建築士として代表を務め、2018年2月には法人化も実現されました。
かつては「会社紹介」に過ぎなかったホームページをリニューアルすることで、イベントごとの集客数もゼロから10件に増え、年間の新築棟数1棟から3棟、売上も3500万から1億に倍増と、飛躍的な業績アップを達成。今回は河内代表にホームページリニューアルに至った経緯と、それによりもたらされた変化、さらには今後の展望についてお伺いしました。
自社ブランド商品の受注ができるようになった背景
ホームページリニューアルに至ったきっかけ
二代目としてのジレンマ
父が約50年前に立ち上げた河内建築の二代目として、先代が築き上げてきた信頼を引き継ぎながらも、「同じことをやっているだけでよいのか」という葛藤を抱え続けていました。その後、自分は一級建築士に、個人事業は2018年には株式会社になりました。従来の経営から脱却し、自分がやりたい方向を徐々に見いだし始めていた頃、厳しい現実に直面しました。それは、建築に関する知識や経験があっても、認知度が低いため、集客が難しいということでした。実際、当時の年間棟数は1~2棟で、下請けの比率は6割程度、「実力はあるのに認知されていないため、自分たちの家が建てられない」ジレンマに直面していたのです。
イベントへの申し込みはほぼゼロだった
集客のために何もやっていない訳ではありませんでした。一応ホームページもありましたし、定期的に地元の内覧会などのイベントにも参加し、電話番号は電話帳やチラシにしっかりと掲載し、興味のある方は問い合わせしてもらえるようにしていました。しかし、ホームページは単なる会社紹介のような簡素なもので運用もしていませんでしたし、毎回のイベント集客はほぼゼロの状態が続いていました。
そんな状況を見かねて、妻が私に「ターゲット層が若くなっている中、みんなインターネットを使ってホームページやInstagramなどで情報収集している時代、電話番号だけで自分から連絡してくる人なんかいない」という言葉でした。ちょうどそのころ、貴社との出会いがあり、ホームページリニューアルを決意しました。
売上の約8割が自社ブランドの受注に
ホームページリニューアルにより芽生えた自覚
ホームページをリニューアルしたことで、意識が大きく変わりました。どんなホームページかということも大事なのですが、しっかりしたホームページがあることで、お客様に良いものを提供しなければいけないという責任や自覚のようなものが生まれ始めました。
妻のいう通り、ホームページをリニューアルすることでこれまでほぼゼロだった内覧会の集客数も毎回10件程度に増加、自分たちの動きが「見られている」という実感がつかめるようになり、それがマインドの変化にもつながりました。リニューアル前はホームページを作るだけで満足していましたが、リニューアル後は運用することの大切さも感じています。
リニューアル前は下請けが約6割で、「自分たちの家」を作ることはなかなか叶いませんでした。しかし、ホームページという武器を手に入れることで、自分自身のマインドも大きく変化したように思います。
「自分たちが作りたい家を年間3棟建てる」が実現
ブランディングの大切さに気付かされ、ホームページには自分の顔や、どんな家を作りたいのかも載せています。それが自分に対するプレッシャーとなり、軸をブラさないこと、「河内建築っぽさ」をお客様にきちんと発信することができるようになりました。自信を持てる家を提供しているので、値引きはしません。自分たちが作りたい家を年間3棟建てる、後はお客様に決めてもらうというスタンスを崩さないようにしています。
結果としてリニューアル前の年間棟数は年間1軒だったのが今や3棟、売上は2~3倍に倍増し、約3,000~3,500万円から約8,000万~1億に、さらに坪単価が50~55万円だったのが、現在は60~65万円にまでアップしました。また、有難いことに売上の約8割が自社ブランドで建築させていただいています。
お客様に自分たちがどういう思いで家づくりをしているか、ホームページで共感してもらうことに加え、直接お話することで真摯に向き合う姿勢を見せ、「高くてもいいから河内さんに頼みたい」という“ファン”を獲得できたのが原因かなと思います。
営業ツールとして活用できるホームページ
文字通りの「名刺」がいわば自分の顔となり、そこを起点としてさまざまな方と連絡を取り合ったり、お知り合いになったりできます。ホームページもいわば「大きな名刺」のようなもので、このツールを通じて同業者さんだけでなく、銀行や商社、問屋さんなど、異業種の幅広い方々と活発な交流ができるようになりました。例えば、ホームページがあることで、私たちのコンセプトやどんな建材を使っているのか、どんな動きをしているのか、チェックしていただけています。
今では社内に広報担当を置き、ホームページの更新やLINEなどのSNSの発信も頻繁に行い、常に他者の「目につく」状態を作り出しています。
今後の展望
介護福祉施設を建てて地域で必要とされる存在でいたい
今後、建築業界、特に新築は市場が縮小していくため、ますます厳しくなることが予想されます。そのため、来季から介護福祉事業を始めることを予定しています。福祉用具のレンタルと販売に加えて、住宅改装を手掛けることで、これまでと異なったアプローチからお客様に建築に触れていただく機会を作れるのでは、と考えているところです。3年くらいで目途をつけて、いずれは介護福祉施設を地元に建てて、地域で必要とされる存在であり続けたいというのが私の願いです。
さらに集客の手法についていえば、ホームページによって伝えられる温度感や情報量にも限界があると思っています。そのため、今後はYouTubeなど動画などを使った発信も積極的に取り入れていきたいです。
貴社には、サイト内の動線やリンクが見やすく、考え抜かれて作られているホームページを制作していただきましたが、今後も踏み込んだ魅力的なコンテンツを使っていけるようにサポートをお願いしたいと思います。
元請け比率が2倍になった成功ポイント
代表自ら一級建築士、しかも先代を含め、腕のいい大工を抱えていた実力ある工務店である河内建築様。多くの中小工務店が抱えているだろう「実力があるのに仕事が取れない」現状を打破するのにホームページのリニューアルはどのように役立ったのでしょうか。今回、当社がお手伝いしたホームページリニューアルの成功ポイントについて分析していきます。
前提課題
課題がそもそも不明確だった
ホームページリニューアルの重要性を河内代表に気付かせたのは、奥様の一言でした。これは裏返せば、社内に広報担当者がおらず、代表を含めて日々の業務に忙しくし続けていたため、客観的に会社の課題を見つけたり、分析したりすることが困難だったということです。
イベント集客力不足
内覧会などイベント開催は定期的に行っていたものの、チラシでしか集客活動を行っておらず、ほぼ申し込みがない状態が続いていました。ホームページは会社紹介程度のもので運用もされていなかったため、チラシを見てからネットで調べてホームページへ訪れてきた方へ、申し込みを後押しする「説得力」が不足していました。
受注単価が低かった
自社のこだわりと実力を持ちながらも、それを発信し、認知してもらう機会を逸していたため、自社ブランドでの受注は困難でした。結果として売上確保のため、下請けに頼る構造が定常化し、受注単価は低くなっていました。
成功ポイント
下図は本事例における変化をまとめたものです。次から詳細を解説していきます。
潜在的な強みの言語化・訴求
河内建築様はたくさんの潜在的強みを持っておられます。例えば河内代表が一級建築士であること、代表自らが設計、施工、窓口となること、また家づくりに対する強いこだわりを持っているからこそ、年間棟数を5軒までに制限すること、などです。
ブランディング戦略策定前は、それらの強みが表に出てきていませんでしたし、逆に年間棟数が少ないことがネガティブな要素にすらなっていたきらいがありました。しかし、河内建築様が元々もっている強みを施主向けにわかりやすく表現・発信することができるようになりました。
インナーブランディングによる自社ブランドへの愛着
自社のブランドを明確化することで、従業員に自社の企業理念やブランド価値が浸透することを「インナーブランディング」といいます。インナーブランディングにより、従業員のパフォーマンスは向上し、組織に対する愛着が増します。また、自社の魅力について自信を持ち、積極的に発信するようになります。河内建築様の中で醸成されている楽しく仕事をしている雰囲気は、まさにインナーブランディングによる効果ともいえるでしょう。
さらに代表者様をはじめ、皆が「河内建築とはこういう良さがある」という自信が攻めの姿勢に好転し、ただ顧客のニーズに合わせる「便利屋」のような存在ではなく、顧客に「求められる」工務店へと変容させました。その結果、下請けは減り、自社ブランドでの受注が増加し、一軒あたりの受注単価も向上したと考えられます。
イベント予約率を上げるホームページへの導線強化
河内建築様の前提課題として集客数がありましたが、一口に集客といってもさまざまな施策があり、自己流にやっても成功は遠のきます。やはり戦略的に優先順位を定めて行うことが重要です。
この点、河内建築様は、まず集客の「基地」としてホームページのリニューアルを行い、チラシやInstagramを用いて、ホームページを訪れてもらい、そこを起点として「問い合わせ」へと予約動線を設計しました。新築の見込み客層は、イベント参加前に必ずオンラインでの情報収集を行います。そのことを前提にすると、ホームページのコンテンツ(施工事例、お客様の声、コンセプト、特徴、スタッフ紹介、会社概要など)を充実させ、見込み客をイベント参加前に「ファン化」させるための広告戦略が見事に成果を生んだといえるでしょう。
まとめ・お客様インタビュー動画
限られた時間の中でイベントを成功させるには、戦略的に適切なタイミングで施策を打つ必要があります。本事例は、単なるホームページをリニューアルしたことによる成果ではなく、河内社長と広報担当者様のホームページ以外の丁寧な運用があっての成果になります。
大事なのはしっかりしたホームページを作ることと、自社の価値を理解し、継続した運用を行うことです。デザインが優れたホームページにリニューアルすることではなく、それをきっかけにして意識をリニューアルしたことこそが河内建築の真の成功ポイントだったといえるのかもしれません。
お客様インタビュー動画
画面左:河内建築 河内様/右:当社スタッフ
お役立ち情報
【中小工務店向け】ブランディングのはじまり!広告効果を最大化させるホームページとは
ブランディングの基本的な概念やブランド構造、地域密着型の工務店こそ取り組むべきブランディングの内容を事例を踏まえてご紹介しています。
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O.YOSHIKI
AP営業部 ブランドプロデューサー
神奈川県大和市出身。法政大学を卒業後、2009年でブランディングテクノロジー(旧フリーセル)に入社。東京本社AP営業部1課、2課を兼任し住宅業界のWEBマーケティングを専門として業績アップに取り組んでいる。
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tel:03-5457-1311
お客様情報
屋号名 | 株式会社 河内建築 |
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所在地 | 新潟県胎内市 |
制作サイト | https://www.kawauchikenchiku.com/ |